2011年12月20日(火)
私達は、今年6月末、北海八十八ヶ所霊場の巡礼を結願・満願成就。
そのお礼参りとして、10月、高野山(和歌山県)を参拝いたしました。

御廟橋(ごびょうばし)より先は弘法太子空海御廟の霊域
(撮影:2011年10月18日)
高野山は、平安時代の弘仁7年(816年)頃より、
1,200年の時を超え、
弘法大師空海によって開かれた日本仏教の一大聖地。
和歌山県伊都郡高野町にある標高約1,000m前後の連なる山々は、
東西約6㌔南北約3㌔の盆地で
周囲を内八葉外八葉の峰々に囲まれ
蓮の華のような地形を成す。
2004年(平成16年)7月には、
「紀伊山地の霊場と参詣道」として
ユネスコの世界文化遺産に登録され、
日本はもとより、世界各国から多くの人が訪れる聖地。
表参道入り口、一の橋から奥の院へと続く
弘法大師御廟までの約2kmの参道は
何百年も息づく老杉が高くそびえ立ち、
そのもとには、数十万基を超える供養塔が建ち並ぶ。
古代インドに生まれたと伝わる「五大思想」・・・
この五大思想「宇宙の万物一切が、地、水,火、風、空という五つの要素からなる思想」に、
弘法大師空海は、
精神的存在である「識」(智・覚・心とも言えるもの)を加えて
「六大体大」という観念を解く。
この「六大」を高野山で形として表したものが「五輪塔」。
五輪塔は、 地輪(方形)、水輪(遠景)、火輪(三角形)、風輪(半円形)、空輪(団形) から成る供養塔。
空海曰く、
人間は小宇宙であり、五大要素によって構成されている。
地輪(方形)=体、
水輪(円形)=血液、
火輪(三角形)=体温
風輪(半円形)=呼吸
空輪(宝珠形)=すべてが融合した状態。
五大は人間の五体、つまり人を表し、
大自然そのものを表している。
墓塔の五輪塔は、
この宇宙観から生まれた。
墓石に「五大」の
「地・水・火・風・空」を表し、
宇宙=人間を表現する。
ここに「識」が加わってはじめて
宇宙=人間が成り立つのである
大地からの恵みを受け、天に延びゆく杉の大木、
天から降り注ぐ太陽の光、
風で飛来した種子が大地に芽吹き、命を吹き込む
清水流れる川に命を宿す岩魚やアマゴたち。
自然界のすべてのものが
「地」から命を宿し、
「水」「火」「風」の恵みによって生きづき、
やがて、すべての役目を終えて「空」となり
土に還る、命の循環。。。
蓮の華を形づくる高野山の空気・空間すべてが
心静め、心癒す、偉大なる聖地。
人生における過去を懺悔し、煩悩を浄化し
現在にすべてに感謝する。。。
そして未来に対し、命あるすべてのものの幸せを願い
心浄めて進んでいく巡礼の旅に、
大いなる感謝と祈りと愛をこめて。。。

宿坊「上池院」
◇ いくこ&のぼる
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